道中で拾い集めたストーリー、あらゆる環境のなか出会った人々、自分で見たこと聞いたこと、深く感じ考えたこと… それは新しい何かを経験するたび形を変える、現在進行形の物語です。過去の鮮やかなビジョンは、残念ながらそう長く私たちの記憶に留まってはくれません。その代わりに、一瞬一瞬を呼び起こすような言葉とデジタル描写を通じて、ノンフィクションの世界をここで共有したいと思います。

 

SUGAR JUNKIES

 

 

9000km離れた島国、イギリスと日本。異なる文化と習慣の中で生まれ育った私たちは、お互いデザインの職に従事したのち旅の魅力に取り憑かれ、2015年、当時二人で居住していた南アフリカ共和国での快適で安定した生活を手放すことを決意しました。限られた予算と自然環境への配慮、そしてまだ見ぬ世界への冒険心から、イギリスへ帰省するために選んだ手段は “自転車” での旅でした。

「何かを成し遂げる」というような駆り立てられる想いで自宅のドアを飛び出したものの、その気持ちは次第に薄れ、それよりも複雑に絡み合った文化や価値観の多様性や私たちが直面している地球の現状により心を寄せていくようになりました。そして出発から1年4ヶ月後、イギリスのエリオットの実家に到着。次に私たちがやるべきと感じたことは、エリオットの故郷と私の故郷を結ぶ過程を、自分の足と目で確かめることでした。

3年に及んだ自転車の旅は、旅の前には想像もしなかった方法で私たちの心を豊かにしてくれました。多種多様な人々と出会い、ありとあらゆる生き方を知ることは、何が本当に大切かを語りかけてくれます。ここにあるひとつひとつの物語と写真は私たちにとって大きな意味がありますが、捉えた瞬間が静止することは決してありません。現在は、日本を拠点としながらサステナブルな暮らしを試行錯誤中ですが、世界が常に変化し続ける限り、私たち《2island traveller》の旅が終わることはないでしょう。