日本でお世話になっていた馴染みの自転車アクセサリーメーカー、CATEYE。
ヨーロッパはもちろん、南アフリカのサイクルショップでもどこでも商品を見掛ける、
日本が世界へ誇る自転車商品ブランドの一つだ。
本社と工場が私の出身である大阪にあるということで妙に親近感が湧いた私は、旅前に直接コンタクトを取り、
ありがたいことにヘッドライトとセーフティーライトをスポンサー提供していただくことができた。
CATEYEさん、ありがとうございます!
1年半旅を共にしたライトの感想を、ここでぜひご紹介させてもらいたい。
まずハンドルバーに付けるライトは、小型で尚且つライトのパワーが強いVOLT700というタイプを
協賛していただいた。
アフリカでの夜間走行は、街灯が一切ないことと動物の飛び出しが多々あること、そして非常に荒い運転のドライバーが
多いことを理由に、不必要なリスクは負うべからずと基本的に避けていた。
しかしナミビアの砂漠で、夜間にキャンプスポットを移動しなければならないことが何度かあり、
星と月明かりのみの暗闇の中を走行する機会があった。
ナミビアの砂漠を夜間走行する車はほぼゼロに近いため、道の真ん中を走っていても問題ないほどなのだが、
砂の色と同化した毒ヘビやサソリ、またイボイノシシやアンテロープがそこら中にいるので、十分な注意が必要だった。
そこで大活躍したのが、このVOLT700。
ライトは調光と点滅の5モードあり、一番明るいモードだと、20m先でもしっかりと見える威力。
下手したら、車のライトよりも明るいんじゃないかというほど明るい。
(ナミビアではないが、ライトを消すように対向車から合図されたこともある。)
街灯の一切ない砂漠で何の問題のない明るさなら、きっとどんな状況でも安心して夜間走行できるだろう。
またアフリカでは、ヘッドランプの充電が切れてしまったときや、広範囲を明るくしたいときなど、
ランタン代わりとしてキャンプ時にも使用していた。このライトがあれば、夜間にテントを設置するのもとてもラクチン。その調子でテントの中で利用したこともあったのだが、一度ライトの熱で寝袋を少し焦がしてしまったので、
テント内や室内での利用は言うまでもなく避けた方がいい。
充電には一晩ほどの時間はかかるが、一度充電するとかなり長時間使えるので、
月に1度か2度充電するだけで十分だった。また、USBで充電できるのもとても使い勝手が良かった。
もう一つ提供していただいたライトは、Rapid miniという自転車の後部に付けるセーフティーライト。
このライトはとにかく小型・軽量で、21.5gしかないためポケットに入れてどこへでも持ち歩ける。
交通量の多い都会や街を夜間走るときには、安全のため必須のライトだ。
そしてあと忘れてはいけないのが、トンネル内での走行。
トルコやバルカンではトンネル内にライトが付いてないこともあり、ライトがなければ通過するのは不可能だったと
いってもいい。バッグやタイヤに反射板が付いてるとは言え、セーフティーライトなしに後ろから来る車に私たちの
存在を伝えることは厳しいだろう。
真っ暗闇の2kmもの距離があるトンネルを走る抜けるのはなかなかの恐怖だったが、
無事走り切ることが出来たのは、このライトがあったおかげだ。
また、トンネルの多い地域では、ライトの取り付け外しが簡単にできるのもありがたかった。
ツーリング経験がまったくなく、夜間走行はしないだろうと予想していた私とエリオットにとって、
自転車ライトの必要性は意外と盲点だったのだが、今振り返るといいライトを持っていて良かったと実感する。
特に長期の旅には、長く使える高性能のライトをひとつ持っていると何かと心強いだろう。